安定化二酸化塩素
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安定化二酸化塩素安定化二酸化塩素とは
二酸化塩素ガスをアルカリ溶液中に吸収させたもので、濃度低下が小さく、純粋二酸化塩素水と比較して長期保管が可能です。希釈して除菌・消臭に利用されることが多く、比較的穏やかな漂白性を持つ、淡黄色から透明な液体です。高濃度では独特の薬品臭があります。 保存性が良く、低濃度では臭気もなく、漂白性も小さいので消臭剤、除菌剤、化粧品として各社から販売されており一般消費者がインターネット利用で容易に入手可能となっています。
パスタライズ社 安定化二酸化塩素の性状および荷姿
・濃度測定方法:最も簡単な方法は、共立理化学研究所のパックテスト(亜塩素酸ナトリウム)を推奨します。亜塩素酸ナトリウムの読み値を亜塩素酸イオンに換算した値となります。 ・保管方法:冷暗所に保管する。劣化(活性化して薄黄色になること)を助長する要因は光と温度です(特に光)。純粋二酸化塩素水ほどではありませんが、樹脂製品を酸化させ、特にパッキンは軟質のPEであることが多く、最初に亀裂が入ります。 ・廃棄方法 多量の水に薄めて廃棄する。チオ硫酸ナトリウムを使用する場合は希釈溶液として混合する。混合するとpHが低下するので、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム・カリウム等のpH中和剤を併用する。安定化二酸化塩素の濃厚溶液と高濃度のチオ硫酸ナトリウム溶液を混合すると急激に二酸化塩素ガスを発生して危険です。また、結晶状のチオ硫酸ナトリウムを濃厚安定化二酸化塩素に投入すると爆発的な反応を生じて非常に危険です。
安定化二酸化塩素は経時的にpHの変動、濃度低下があります。納品後1年以内に使用するようにしてください。なお、濃度管理ができる場合は数年間保管可能ですが、容器の劣化による液漏れを生じる恐れがあります。ポリエチレン製容器を軽く押して樹脂の軋む劣化音がする場合危険ですので廃棄もしくは新しい容器に移し替えてください。
・液の黄色味が増して二酸化塩素臭が強い場合、急激に濃度低下と容器劣化が進行するので、薄めながら中和処理して廃棄、または、新しい容器に移し替えてください。 ・安定化二酸化塩素60,000ppmはポリエチレン製容器で出荷します。すぐに使い切る場合は、BIB充填で出荷可能ですが、3カ月以内に破袋し液漏れする恐れがあります。
安定化二酸化塩素の活性化≒安定化二酸化塩素による2剤生成
安定化二酸化塩素にGRAS*の酸を添加して二酸化塩素を発生させて除菌効果を高める使用方法があります。この方法はオンサイトの2剤生成(2 剤混合)に相当します。従って、高濃度の安定化二酸化塩素に酸を添加し過ぎると二酸化塩素生成反応が制御できなくなり危険を伴います。 歴史的には米国で発展した安定化二酸化塩素の利用において、安定化二酸化塩素をそのまま使用するのではなく、GRASの酸を添加して二酸化塩素を所望濃度に生じさせ使用する方法が一般的です。また、除菌効果のデータは2剤混合後の二酸化塩素を含有した液について取得されたものですが、国内ではその点が充分理解されないまま、安定化二酸化塩素で高度な不活化が可能であるとの誤解が散見されます。 *:Generally Recognized As Safe(一般に安全とみなされている)の略語。米国FDAが解説。FD&C 法第 201 条(s)2剤混合の実際
グラフで示したように、安定化二酸化塩素にGRASの酸を添加すると二酸化塩素が発生しますが、その反応速度、平衡に達する濃度(最高濃度)は各薬品の濃度と液温により大きく異なります。この点が効果を担保するのに不安定な要素となります。 業務上の使用において温度、混合してから使用開始・使い切るまでの時間がおおよそ一定である場合には、概ね一定の効果を担保することが可能です。数日間、保管してから使用する場合は意図しないほど濃度が上昇していたり、低温下の場合ほとんど進行していないこともあるので、二酸化塩素濃度をパックテストなどで確認できると安心です。
使用用途例
・動物飼育施設・・・消臭および除菌(ミスト) ・消臭一般・・・スプレー(生活空間、自動車、商業施設など) ・特殊用途・・・特殊清掃での消臭(ミスト) ・畜産関連・・・消臭、飲料水除菌、設備器具の除菌 ・水産・・・使用水の除菌等 ・公共・・・砂場の除菌消臭